30代の歯科医師が感じる就職・転職についての対談

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30代の歯科医師が感じる就職・転職についての対談

大学病院の就職事情

A.「歯科医師で仕事を探す人と歯科医師を探すクリニックをつなぐ仕事を始めるので、仕事を探す上での不満点や転職の理想、30代までどんな転職をしてきたのか対談で聞かせて頂きたいです。大学病院に入った時、色々な病院を見られると分かっていましたか?」
B.「ある程度分かっていました。基本的に大学病院で働いていると母体である大学の人事異動で動いているドクターばかりですから。逆に大学に属さない人は雇われないです。」
A.「実際に他の歯科医師が考える諸条件は病院の中で差はありますか?」
B.「かなりあります。大体僕らの形態の場合、市民病院が大学病院にドクターを派遣してくれという依頼を出すわけです。どちらかと言うと大学病院の方が強いです。そのためうちはこれだけ出すから最低の条件を守ってくれとなります。」
A.「例えば本店的な大学病院の方が諸条件はいいですか?」
B.「一番諸条件が悪いのは大学病院です。大学病院にずっといると嫌がるから、待遇のいい所を回してくという感じです。」

大学病院と開業医の条件や事情

A.「大学病院と開業医に進む人だと、勤務の時間は大学病院の方が終わる時間は早いか対談で聞かせてください。」
B.「そんなことはないです。例えば手術で徹夜するので、手術をやると結局、その日は全然帰らないでずっと術後みますし、僕ら当然、当直もあります。」
A.「諸条件だけで見ると大学病院は、開業医と比べるといいか悪いか?勤務時間と金銭面のバランスは?」
B.「大体の感覚では歩合で働く人が多いので、比べると相当収入は減りますが、逆にどれだけやってもやらなくても給料は一緒なので。どちらかというと社会主義的な考えです。」
A.「スキルアップに関してこの選択肢が一番よかったと30代の今は思いますか?」
B.「口腔外科に関してはスキルアップが大学病院でないとできないので。手術ができてなんぼという分野なので。」
A.「病院だとレアな症例も何症例も見られますか?」
B.「何症例という数より、ガンの症例ですね。やりたくなくても一応ガンを専門にしているので。」

雇用されることを選択した歯科医師

A.「病院に雇用される歯科医師を選んだ理由を対談で聞かせてください。」
C.「最初は開業したいと思っていたが、働くうちに30代になり開業する気持ちが薄れた。」
B.「研修中に使える人材だったら、そのまま就職したという人は多いです。」
C.「それが私です。研修中にいた所が今の職場です。」
A.「決め手は何でしたか?」
C.「まず、東京で働きたかった。その時は審美歯科をメインにやりたい、東京の人相手にやりたい、通勤しやすいという条件も入れていました。それで院長が女性だったので。私自身が女性なので、患者さんとの関わり方ややり方とかの目標は先生と思っていたので。その病院を含めて3つ面接の予約を取って行きました。法人狙いでした。当時は開業したいと思っていました。だけど中々難しいです。その頃は何も知らないから自分が院長としてやらせてもらえれば、それが自分のためになっていけると、簡単に考えていました。」
A.「自分のクリニックを持ちたかったですか?」
C.「当時は思っていましたが、今は思わない。」
A.「今は後々自分で開業しようという選択肢は何%くらいありますか?」
C.「今は10%くらい。」

病院を選択した決め手とは

A.「最初に希望されていた審美に強いクリニックに就職できたと感じたか、対談でお聞かせください。」
C.「5~6年いましたが、別に審美に強いクリニックではなかったです。」
A.「最近は新卒の歯科衛生士や歯科医師は審美に憧れる傾向があります。なぜ審美に憧れる歯科衛生士や歯科医師が多いのですか?」
C.「30代の今でも興味はありますけれど、どこのクリニックでも同じようなものです。」
A.「何でも審美って言ってしまえば、インプラントも審美になります。今の職場はどういった理由で決めましたか?」
C.「保険診療だけではなく、その患者さんの望むようなきれいを実現してあげられるというイメージがあって、今の職場に行きました。」”
合わない病院の基準とは “A.「転職はどのようにしたのか対談で聞かせて頂きたいです。」
C.「その当時は、審美歯科や予防歯科をやりたかったけれど、具体的にどうこうではなく、漠然としていたので、そこにこだわらずに探しました。」
A.「入ってみて30代の今の思いはどんな感じですか?」
C.「1年たって自分らしさを出しつつ、少し楽しくなってきたという感じです。1年前は緊張していて自分らしさはないし、失敗はするし、本来の力は発揮できませんでした。」
B.「それが大事なことかもしれません。自分らしさを出させてくれないクリニックはダメです。その人にとって合っていないということです。合っていない病院の選択基準が、自分らしさを出せないことだと思います。」