【先生に聞いた!】歯科医師をしていて大変だなぁーと感じる事。

歯科医師はここが大変

歯科医師はコンビニよりも多いと言われるほど、町のいたるところで見かけますが、実際どれくらい儲かっているのかを詳しく知っている人は、さほど多くありません。ちまたではかなり生活が大変らしいとの噂が聞こえてきますが、本当のところはどうなのでしょう。現役の歯科医師に大変なことは何かを直撃で聞いてみました。

歯科医師は給料が安いと言われるが

2018年度現在、現役で活躍中の歯科医師の中には、給料が安くて家族を養うのは大変なことだという人もいます。実際問題として平均年収はいかほどなのかをリサーチしてみました。地域格差が激しく地域ごとの平均年収にかなり幅があるものの、看護師を含めて常勤が10人以上という比較的小規模クリニックの場合、1人あたりの平均年収が850万円ほど、99人程度までの中規模になると少しあがりますが、100人越えのクリニックでは100万円ほどアップします。1000人超えのいわゆる大学病院規模になると、逆に給与が下がって600万円代になります。

なるほど開業医を希望する医師が多いのは、単に忙しすぎて大変なことになっているというだけではないと、データーからもわかります。特に40代~50代の働き盛り世代にいたっては、女性でも1400万円台を稼ぐ歯科医師がいます。数字を見る限り歯科医師は一般サラリーマンよりも稼いでいるように見受けられます。実際のところは設備費を含む、その他の軍用資金などもからめてみてみなければ、多くの歯科医師がいう大変なことは見えてきません。

歯科医師1人にかかる費用はおいくら

歯科医師になるには、一般の医学部同様歯科大学もしくは歯学部に6年通うことになります。2012年現在で国公立の入学金が280000円あまり、プラスで授業料が年間53万5800円ほどかかっていますから、6年では授業料だけで総額320万円強ほどになります。これに入学金を追加すると総額約350万円ほどになります。その他に寄付金や機材代が加算されますから、総額はもっと増えることになりますが、おおよそ500万円と見ておけば良いでしょう。

私立はこの5倍以上のが学費がかかりますか、らおよそ3000万円というのが歯学生にかかってくる学費の相場です。仮に3000万円の学費を支払って無事6年で卒業できたとして、スムーズにどこかの大学病院か1000人超えの大病院に就職したとしたら、3年間がんばれば元手がとれることになります。ただし大学の数は限られてきますし、1000人超えの大病院もそうそう多くはありません。
就職して最初の1年~は研修生として勤務しなければなりません。ここでふりかかってくる問題は歯科医師が過剰供給されている点です。ここまでみてきただけでも大変なことと痛感させられます。

常に学びにつぐ学び

2012年現在で歯科医師の数は10万人を超えていますから、勤務先を見つけられなければ開業医になるか研究員として、大学に残りそこそこの給料をもらう道が開かれていきます。開業するためには総額5000万円は必要とされています。地域でも人気の歯科医師として患者獲得となるためには、常に技術を学び続けて腕の良さをアピールしていかなければなりません。それだけでは今の世の中なかなか振り向いてもらえない現実があります。時代ごとのトレンドにも着目していく必要があるのです。これも大変なことです。

2010年頃からインプラントや歯の矯正およびホワイトニングなどの審美歯科に、人々の関心が高まっています。これらの技術は高度でまだまだ完璧に取得した歯科医師の数は少ないですから、技術を取得すれば多くの患者が集まってくること請け合いですが、そのためには多くの時間をさかなければなりません。開業医となるには、土地勘やその地域のニーズおよび住民の年代層など不動産業さながらのリサーチも重要になってきます。
持続可能な運営をしていくためにはマーケティングなど医学以外の知識や技能および、見聞も修得しなければなりませんから、学業を終えてからの方が大変なことになっています。

たかが口コミされど口コミ

ネット万能の世界らしく腕の良い、信頼できる歯科医師も口コミや評判サイトで見つけることができます。全国版の他にエリア別もあり地域で評判の歯科医師の拠点や、連絡先およびおすすめポイントまで、一目瞭然でわかりますから、使い方によっては大変便利です。特にSNSからの情報は膨大で、まだニュースでも伝えていないような情報まで、口から口へと怒濤のごとく広まっていきますが、時にはおひれがついて拡散されていくことも多々あるため、多くの歯科医師にとって大変なことになっていることもあるのです。

以前なら見逃されていたような些細なことまで、広く世間に知られていきますから、ことばにも態度にも注意を配らないと、SNSを通して患者さんからの不満やプレビューによる悪い評判がたちかねませんから、多くの歯科医師は喧々諤々(けんけんがくがく)となっているのが実情です。
常にSNSなどでの評判を気にして振り回されているという歯科医師もいるのです。
今はホームページでの宣伝告知も普通になってきていますから、本業の傍らでインターネットを勉強して、ホームページをたちあげる人も増えています。これも大変なことです。

歯科医師同士で患者の奪い合い


ここ10年で急激に歯科医師が増えている現実は、街を歩いただけでも肌で感じるはずです。実際データの上からもかなりの勢いで増えていることがわかります。
2012年現在で10万人を余裕で超えていますから、2018年から2019年にかけてさらに増えていく予想です。そのために歯科医師にとって大変なことが起きているのです。医師は半分人気商売のようなものですから、腕が良くて人間性もそこそこ良いうえに二枚目な美女歯科医師はすぐ取り巻き患者がつきそうです。

支持をできる限り持続させるためには歯科医師としての高い技術以外に、ある程度のタレント性や営業力および人望や資金力も必要ですし、時代の波にのれないとたちまち消滅してしまいますから、これも大変なことです。ともすると歯科医師どうしで患者の奪い合いのようになることもあります。特に営業力に乏しく医者としての技術もなければ、他医師との差別化はおろか自立開業そのものが難しい状況です。せめて常にモチベーションをあげながら、行列はさすがにできないにしても、そこそこ稼げる歯科医師をめざしてください。

独立開業は至難の業

多くの歯科医師が歯科医院を運営するのはもちろん、開業も大変なことだと口をそろえて言っているように、歯科医師を続けていくことは他の商売以上に大変なことなのです。賃料と土地代、人件費、治療機器の購入費用、そして当座の生活費を含めて最低3000万円から5000万円という高額資金が普通に必要になってきますから、財力がないと開業は難しいのです。

一般的には銀行などから融資を受けて開業するのですが、バブル時代と違って安定した返済計画を作成しないと、銀行はなかなかお金を融資してくれません。出資者をつのって独立する場合であっても、これは変わりません。今後も過剰供給の勢いはとどまることなく、毎年のように大量の新卒者を排出していくことになります。政府の方針で全国にたくさんの歯学部もしくは歯科大学が増えていきましたから、大学側も経営上の問題で今さら入学制限をかけられても困るのです。大学側にとっても今の現状は大変なことになっています。

歯科医師の高齢化

歯科医師の大変なことは世代交代が滞っている点でも起きています。110才を超える小児科医師の例は有名ですが、歯科医師の世界も一般医師同様に定年制度がなく、生涯現役という老医師が歯科医師の過多と同時進行で増え続けている現実があります。職人の世界でも次担い手がなく高齢化が進んでいるという話はよく聞くのですが、歯科医師に限っては担い手は大量にいますから技術の伝承に問題ありません。むしろいつまでも引退してくれないから大変なことになっているのです。

患者の気持ちといして20代から30代の卒業したばかりの若い医師よりも、40代以上の実績のある医師を選んでしまう傾向にあります。これも大変なことです。ただでさえ歯科医師が増え続けているのに、院内に老医師がガンバっているうちは若い医師はなかなか前進できずにいます。これも大変なことです。

歯科医師のここがすばらしい

歯科医師の仕事は確かに大変なことが多々ありますが、それでも医師が増え続けているのは仕事に魅力を感じているからに他なりません。歯科医師をやっていて最も生き甲斐を感じるのは、なんといっても患者さんから満面の笑みで”ありがとう”と言われる時です。

そして歯の治療には特定の技術が必要ですし時間もかかるものばかりですが、それでも持てる力を出し切って患者さんから痛みをとりのぞき、難しいと思われていた疾患が完治した時の達成感を、目にみえる形で得ることができるのも、このうえない魅力の1つです。

何よりも噛むという基本的な生活行動が損なわれただけで、たちまち他の身体機能にも支障をきたすわけですから、やっていることはとても重要なことなのです。大変なことが多い分患者さんと関わりのなかで、得られるものも大きいからこそ、歯科医師たちはなんとかふんばって営業を続けているのです。

歯科医師は確かに大変なことが多い

歯科医師過多の状況下で廃業に追い込まれるパターンも増えています。一方で年収1000万円越えの成功者もいるなど給与格差が広がっています。稼ぐための労力とエネルギーを消耗していくのは、確かに大変なことですが、患者さんから感謝されるなどやりがいを感じる部分も0ではありません。今後は治療とは無関係な部分も含めて、日々マルチで活躍する歯科医師の生活スタイルがあたり前になってくるかもしれません。